トイレ考


今朝、一つの謎が解けた。なんとすがすがしい朝であろうか・・・。

表題の通り、私にはこちらに来てからトイレについて、
一つの疑問があった。
私は女性なので、当たり前だが女性用トイレに入る。
(以前、切羽詰っていたり、表示が紛らわしくて男性用トイレに
うっかり入ってしまった事もあるが、それは切ない思い出として、
心の宝箱に閉まっておこう。)
それにもかかわらず、「便座が上がっているという事件」が
しばしば起こったのだ。通常、便座をあげるのは男性だ。
我が家でもオットが便座を上げたままにしておいた為、
朝寝ぼけた私が便器に危うくはまりかけるという大事件が
発生した事がある。この事から考えても、「便座をあげるのは男性」
これに間違いは無いはずだ。
重ねて申し上げるが、私が入ったのは女性用トイレだ。
それはジュネーブの有名なコンサートホール「ヴィクトリアホール」の
トイレでも起こり、イタリア旅行中に入ったレストランでも起こり、
その他数回起こった奇怪な事件だ。
少なくとも、日本にいるときはこんな事は起きたことが無かった。
忘れているだけで、何度かあったにしてもここまで頻繁に起こる事は
なかった。もし日本でも同様なら、私もびっくりする事はない。

 ≪私の推理≫
  1. 「貴方の前に入っていたのは、私じゃなくて男性なのよ。
    私が排尿なんてするわけ無いざます。ほほほほほ。」
    という、無理のある演技の為に便座を上げている。
  2. 水を流した際に便座に水が飛び跳ねると後の人に
    申し訳ないから、という配慮の為。
  3. ヨーロッパ女性の間で流行っているおまじない。

しかし、1に関しては女性トイレ限定の場合無理があるし、
私が後ろに並んでいることが分かっているにも関わらず、
便座があがっている事もあったので、このセンは薄いと思っていた。

どちらにしろ想像の域を脱しないので、Pさん(女性)に聞いてみる事にした。
しかし、「知らないわ。どうしてかしら!?」との事だった。
彼女の予想は「便座にお尻を付けると汚いから、
便座からお尻を浮かせて"している"のでは?」との事だった。
しかし…、日本なら例えそういうことしてる人がいても終わった後は
恥ずかしさから、便座を下げると思われ、いまいち納得いかない私だった。

オットにも前々からこの不思議な出来事を話していた。
彼の事務所には、女性(Cさん)がいるので、「聞いてみて。」と
お願いしてみると、「いいよぉ。」とオットは快諾してくれたが、
「オットはこの事がきっかけとなりセクハラ社員として白い目で
見られるかもしれない…。かわいそうに。」と良妻な私はオットの身を案じた。
しかし私の祈りが届いてか、Cさんは快く質問に答えてくれたようだ。

やはり、Pさんの説が正しかった。
Cさんは「女性は病気が移りやすいでしょ?」との理由も挙げてくれた。
更にCさんは「こんな感じで」とゼスチャーつきで説明してくれたようだ。
しかし、その姿は(実際私が見たのはCさんのゼスチャーを真似した
オットだが)かなり大腿部に負担がかかると思われ、
「女性って、大変な生き物だ…」と私に深い感銘を与えた。
が、終わった後で便座を下げないのはいかがなものか。
Cさんによると、「便座を上げるとか下げるとかは別にたいした意味はない」
と良く分からない回答があったようだ。

しかし事実を知ってしまった私は、今後上がった便座を見るたびに、
「ああ、あんな格好で大変だっただろうなぁ…」と思わずにはいられない。
そんな風に想像されたくなければ、ぜひ便座は下げておいて欲しい
ものだなぁ、と思う。
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